消費者金融からの請求書が届いたら、注意するべき3つのこと

消費者金融の借金を滞納したら

消費者金融でお金を借りたら当然返済しなければいけません。

もし、返済予定日までに支払うことができなかった場合は、延滞金(遅延損害金)を請求されることになります。

では、滞納し続けていると消費者金融からどのような催促が来るのでしょうか?

このサイトでは、滞納時における消費者金融の督促事例を経過別でまとめています。


また、消費者金融からの借金を一定期間滞納していた場合は、時効になっている可能性があります。

時効になっていた場合は借金の返済義務がなくなりなす。

時効になった場合にとるべき対処法も併せて説明していきます。


延滞から1日~2日

消費者金融からの借金は、通常通り返済していれば督促・請求が来ることはありません。

しかし、1日でも返済が遅れてしまうと、督促の電話が掛かってくることになります。

消費者金融との契約時に携帯電話の番号を登録していたら、自分の携帯電話に掛かってきますが、自宅の固定電話の番号のみを記載していたら、自宅に掛かってくることになるので同居人や家族がいる場合は、借金の存在を知られることになるかもしれません。

そして、自宅の電話に掛けても繋がらない場合は、会社に電話を掛けるケースがあります。


借金の督促を、自宅や会社にされることを好ましいと感じる人はいないはずです。

しかし、消費者金融は、貸したお金をきっちりと返済して貰いたいので、債務者(借金をした人)が嫌がる方法を使ってアプローチしてきます。

消費者金融側は、自宅や会社へ電話をすることが、効果的な方法であると認識しているため、支払い請求の電話を行います。

消費者金融としては、いつまでに今月分の支払いを受け取れるのか確認したいと考えているため、電話だけでなく、場合によっては請求書が届くこともあります。


延滞1週間~2週間

督促電話が掛かってくる回数が以前に比べて多くなってきます。

また、収入についての詮索や、いつまでに返済できるのかなど具体的な内容に踏み込んできます。

家族が電話に出た場合は借金の事実をバラしてしまう場合があります。


電話だけでなく、書面での督促状も届くようになります。

滞納から1週間程度であれば、通常は請求書に消費者金融の社名を掲載して送付してくることはありません。

担当者の個人名、または還付先の住所を記載している場合が一般的です。


延滞2週間~1ヶ月

電話や書面での督促を無視し続けた場合は、消費者金融との契約を解除を示唆したり、借金の一括返済を要求してきます。

また、本人の連絡先だけでなく、申し込みの際に記載した実家の連絡先に電話を掛けてくることになります。

そして、この頃になると自宅に取り立てが来るようになります。

現在の法律では、ルールを守りさえすれば、債権の取り立てに自宅を訪問することは問題ありません。


消費者金融が取り立ての際に守るべきルールについては以下の通りです。


  1. 暴力的な態度での取り立てをしない
  2. 大声や恫喝などの厳しい追及や取り立てをしない
  3. 必要以上の大人数で押しかけない
  4. 夜間、早朝の取立てをしない

また、当然張り紙や落書き、近隣への迷惑行為などは禁止されています。

訪問時に上記のような行為を行うと法律により罰せられるため、最近では過剰な取立てを行う業者は減っています。

基本的には一人で訪問し、返済計画を取り付けるために「和解書」などを持参している場合が一般的です。


延滞1ヶ月以降

延滞して1ヶ月を超えると、取立てに来る頻度が多くなります。また、「裁判所へ訴える」、「財産を差し押さえる」、などという厳しい内容になる場合があります。

そして、通常2~3ヶ月が経過した時点で信用情報機関(JICCやCIC)に事故情報として登録(貸金業者によっては1ヶ月程度の場合も)されます。

信用情報機関に登録されることを、俗にブラックリストに載るといいますが、ブラックリストに載ってしまうと、その後は、新たにクレジットカードを作ったり、住宅ローンや車のローンを組むことが出来なくなります。

また、当然、新たに消費者金融などから借入れをすることは出来なくなります。

借金が時効になっているかもしれません

借金を返済しない状態を一定期間継続していれば、時効制度を利用することを債権者に伝えることで借金の返済義務がなくなります。



借金の時効援用 注意する3つのポイント

5年以上返済していない

消費者金融からの借金の時効における一定期間とは、5年間を指します。


商事債権(商法522条)

商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、五年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に五年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。


消費者金融、クレジット会社、銀行などの貸金業者から借入れをして、最終返済期日から5年以上が経過している場合は、「消滅時効の援用」を行えば借金がゼロになります。


消滅時効の援用を行う

借金の時効は、「刑の時効」とは異なり、一定期間が経過すると自然に免除されるわけではありません。

「消滅時効の援用」と言い、債権者に時効制度を利用することを伝えなければいけません。


民法第145条

「時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。」

時効期間が過ぎることにより、時効の利益を主張してもよいということ。そして、この時効の利益を受ける旨の意思表示を「時効の援用」と言う。


消滅時効の援用は、口頭で行うことも出来ますが、一般的には内容証明郵便を利用して行います。

内容証明郵便での時効援用手続きは、もちろん個人で行うことも出来ますが、自分では時効期間が経過していたと思っていても、実際は経過していなかったという場合もあるため、時効制度に詳しい専門家に相談することをおすすめします。


例えば、消滅時効の援用を行ったことで、次に説明する時効の中断事由の一つである「債務の承認」になる場合があります。

また、時効が成立しなかった場合は、消費者金融から利息や遅延損害金が加算された督促状が届くケースもあります。



時効が振り出しに戻っていない

時効の成立条件である5年が経過しているのに、それまでの時効期間が効力を失い、振り出しに戻ってしまう場合があります。


このように今まで進行していた時効期間が停止し振り出しに戻ることを時効の中断と言います。


第147条(時効の中断事由)

時効は、次に掲げる事由によって中断する。

(1)請求

(2)差押え、仮差押え又は仮処分

(3)承認


時効が中断すると、それまで進行していた時効期間は無効になります。そのため、消滅時効の援用を行っても支払い義務が無くなることはありません。

時効期間は、その事由があった時点を起算点として、新たに時効が成立するまで10年の経過が必要となります。


(1)請求

本条における「請求」とは、次のものをいいます。

  1. 裁判上の請求(第149条)
  2. 支払督促(第150条)
  3. 和解または調停への出頭またはその成立(第151条)
  4. 破産手続、再生手続、更生手続への参加(第152条)
  5. 催告(第153条)

第149条(裁判上の請求)

裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の中断の効力を生じない。

裁判上の請求は、訴えの却下または取下げの場合には、時効の中断の効力を生じません。

裁判上の請求は、時効中断の事由である「請求」に該当します

第150条(支払督促)

支払督促は、債権者が民事訴訟法第392条に規定する期間内に仮執行の宣言の申立てをしないことによりその効力を失うときは、時効の中断の効力を生じない。

支払督促とは、債権者の申立てに基づき、債務者に金銭の支払等をするよう督促する旨の裁判所書記官の処分のことを言います。

支払督促は、時効中断の事由である「請求」に該当します。しかし、支払督促があっただけでは時効の中断の効力は生じません。

債権者が仮執行の宣言の申立てをすることが出来る時から、30日以内に仮執行の宣言の申立てをすることで初めて時効の中断の効力を生じます。

第151条(和解及び調停の申立て)

和解の申立て又は民事調停法 (昭和26年法律第222号)若しくは家事審判法 (昭和22年法律第152号)による調停の申立ては、相手方が出頭せず、又は和解若しくは調停が調わないときは、1ヶ月以内に訴えを提起しなければ、時効の中断の効力を生じない。

和解および調停の申立ては、時効中断の事由である「請求」に該当します。

第152条(破産手続参加等)

破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加は、債権者がその届出を取り下げ、又はその届出が却下されたときは、時効の中断の効力を生じない。

和解とは、当事者が簡易裁判所に申し立て、裁判所が関与することで行われる和解のことです。

和解や調停の申立てを行った場合でも、その和解や調停において、相手方が出頭しなかった時や、和解や調停が不調に終わった時は、時効の中断の効力は生じません。

この場合に時効の中断の効力を生じさせるためには、1ヶ月以内に訴えを提起する必要があります。

第153条(催告)

催告は、6箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法 若しくは家事審判法 による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。

催告は、6ヶ月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法もしくは家事審判法による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押えまたは仮処分をおこなわなければ、時効の中断の効力を生じません。


(2)差押え、仮差押え又は仮処分

債権者が債務者の財産に対して、差押え・仮差押え又は仮処分を行った場合は、時効が中断します。

強制執行である差押えは「請求」後の時効が中断されます。民事保全である仮差押えと仮処分は「請求」前(提訴前)の時効が中断されます。


(3)承認

時効の利益を受ける者の側から権利者側の権利を認めるような行為があれば「承認」と認められます。

たとえば、債務者が債権者に対して、金利の一部でも返済した場合は、債務の承認に該当します。

また、債権者に対して返済の猶予を申し込むなどの行為も、権利者の権利を認める行為であるため、承認となります。

時効成立の5年が経過していないのにも関わらず、時効援用を行った場合も債務の承認になる場合があるため注意が必要です。